2020/11/21
不動産屋の薦める南側道路の土地、私はあまり好きではありません!?
住宅雑誌や様々なHPを見ると、一番良い土地は南側道路の整形地だと紹介されているケースが非常に多いです。
理由は道路方面に駐車場を配置すれば、その前の道路も含めて太陽の光を遮るものがなく日当たりの良い1Fリビングが実現できるといわれているからです。
実は私、南側道路の土地はあまり好きではありません。
土地が十分に広ければ駐車スペースの後ろに塀や庭を設定しとても良い配置が可能なのですが、愛知県(刈谷市・安城市・知立市・高浜市・豐田市・岡崎市・豊明市など当店近郊)で売りに出ている土地の多くは40坪前後。
その広さだと土地の道路側には駐車スペースそのすぐ後ろに建物を配置せざるを得ず、そうすると1Fリビングから見える景色は自分の車。
道は通勤通学や犬の散歩など多くの方が通りますので1Fリビングはカーテン閉めっぱなしになり、何のために南側道路の高い土地を買ったのか?、意味不明な建物になるケースが実は大半です。
(少し気にして近所を散歩いただき、実際に南側道路のお住まいを見ていただければ納得いただけるはず)
私たちがお客様とお話しさせていただくのは、「土地は工務店と探しましょう」。
建築可能な建物の配置や間取りを頭に描きながら、「その土地の欠点を建物プランでどう補うか」「その土地のパフォーマンスを建物でどれだけ引き出せるか?」といった観点で土地探しに取り組みます。
北側道路や旗竿地であっても吹き抜けからの「光の道」を組み込むことで明るいリビング空間を得ることができ、土地の特徴や形状に合わせたデザインをすればむしろ個性的でおしゃれな佇まいが実現します。
そうした土地の多くは南側道路の整形地よりも価格的に手が出しやすく、結果としてこだわりの建物が実現可能になります。
逆に南側道路でプランをする場合道からの視線を防ぐ空間配置をいかに行うかがキモで、掃き出し窓を視線の気になる道路側に作らず東向きや西向きにしたり(周囲の建物配置にもよります)、あえて2Fリビングにすることでカーテンを閉めなくともプライバシーが保てる配置にしたり、壁で空間を切り離し中庭をプランに取り込むことで静かな庭とリビングを確保したりなど、土地の欠点を建物でカバーするプランを考えます。
多くのお客様が欲しいのは、土地ではなくて建物のはず。
土地探しはそれぞれの土地で「どんな建物プランが可能なのか」をアドバイスできる工務店としたほうが、素敵なお住まいが手に入ります。
前の記事 : あこがれの吹き抜け、間仕切りのない広やかなリビング空間は、高性能住宅でこそ実現できます
次の記事 : 家づくりは資金計画から始めると、わかりやすくなります。(土地がなかなか決まらない方も)